ベンツCLAは、見た目で一気に心を掴んでくる車です。惚れて買う人が多いのも当然。ですがそのぶん、生活に合わないと「こんなはずじゃ…」が出やすいタイプでもあります。
後悔の原因はだいたい決まっていて、その正体は「視界」「後席」「段差」「操作性」「維持費」あたり。ここを購入前に確認できれば、満足度は一気に上がります。
なお、初代CLAは2013年7月24日に日本で発売されています。現行型(2代目)は2019年に発表され、対話型インフォテインメント「MBUX」搭載が大きなトピックでした。
ベンツCLAで後悔しやすい8つの理由

- 1) 後方視界がタイトで、駐車がじわじわストレスになる
- 2) 後席は「座れる」けど「くつろげない」になりやすい
- 3) 乗り心地が硬めに感じる人がいる(タイヤ・足まわりで印象が変わる)
- 4) 段差・輪止め・立体駐車場で気を使う(フロント下まわり)
- 5) 収納が少なく、生活の小物が“迷子”になりやすい
- 6) ナビ/操作性は年式差が大きい(古い世代はクセが出る)
- 7) 低速時の変速の癖が合わないことがある(試乗でしか分からない)
- 8) 維持費と値落ちで「思ったより痛い」が起きる
1) 後方視界がタイトで、駐車がじわじわストレスになる
クーペっぽい流れるラインは最高にかっこいい反面、後ろや斜め後ろの見え方がタイトになりがちです。実際に「後方視界が悪かった」と感じたオーナー発信の記録もあります。
この手の不満は“毎回ちょっと疲れる”のが怖いところ。小さな疲労の積み重ねで、じわじわ後悔が募ります。
2) 後席は「座れる」けど「くつろげない」になりやすい
デザイン優先のパッケージなので、後席の頭上空間や乗り降りはシビア寄りです。
中古車の試乗判定記事でも、後席は体格によって快適性が左右されるニュアンスで触れられています。
送迎や同乗が多い人ほど、ここで後悔が出やすいです。家族の不満。地味に刺さります。
3) 乗り心地が硬めに感じる人がいる(タイヤ・足まわりで印象が変わる)
「乗り心地は固い」「後方視界はやや悪い」など、デザイン由来の特徴として語られる口コミもあります。
硬さは“スポーティで好き”にもなりますが、“街乗りで疲れる”にもなります。好みの分かれ道。
4) 段差・輪止め・立体駐車場で気を使う(フロント下まわり)
フロントリップが低く、段差が怖いという声は定番です。実車レビューでも「フロントリップが低くて段差が危険」といった指摘があります。
毎日通るコンビニの出入口でヒヤッ。これ、想像以上にメンタルを削ります。
5) 収納が少なく、生活の小物が“迷子”になりやすい
車関連メディアでよく語られる後悔ポイントが「収納の少なさ」。小物置き場やトランク開口の使い勝手で不満が出る、と言われています。
逆に“荷室”だけを見ると、CLAシューティングブレークは荷室容量505~1,370L(VDA方式)と、積載は頼れる面もあります。
「クーペの見た目を取りつつ、積載で後悔したくない」なら、ボディ形状の選び方が効きます。ここ重要。
6) ナビ/操作性は年式差が大きい(古い世代はクセが出る)
カカクコム掲示板の初代世代の口コミでは、ナビの操作性が気になるという声が見られます。
一方、2019年発表の現行型はMBUX搭載が大きな進化点として案内されています。
つまり「CLAなら全部同じ」ではなく、年式で体験が変わる車。ここを見落とすと後悔一直線です。
7) 低速時の変速の癖が合わないことがある(試乗でしか分からない)
「微低速時でややギクシャクするDCT」といった体感レビューがあります。
さらに、ミッション不具合に遭遇したというオーナー記録もあり、個体差や前オーナーの扱いも含めて“ゼロとは言えない”領域です。 (みんカラ)
ここは現実的な対策で、低速の発進・渋滞・駐車の切り返しを、試乗で必ずやる。これで後悔が激減します。
8) 維持費と値落ちで「思ったより痛い」が起きる
税金は排気量で決まり、例えば1.0L超~1.5L以下は30,500円、1.5L超~2.0L以下は36,000円が標準税率の目安です(2019年10月1日以降の新規登録車)。
さらに値落ち面では、カーセンサーの分析で「約1年で93.5万円ダウン」といった具体的な数字も出ています。
短期で乗り換える予定なのに出口(売るとき)を考えずに買うと、後悔が強く出がち。損した気持ち。これが一番つらいです。
ベンツCLAを買うときの後悔しない選び方と購入前チェックリスト

- まずは現実合わせ:サイズと駐車場の相性を確認
- 試乗は「夜」と「雨」でやると、後悔ポイントが炙り出せる
- 同乗者テストで“後席後悔”を先に潰す
- 中古で後悔しない3点セット:保証・整備記録・未対策リコール確認
- 税金のモヤモヤは先に消す:重量税は国交省の照会サービスが早い
- よくある後悔を先回りで潰す早見表
- CLAで起きやすい故障・不具合:症状→原因→対処
- 2)燃料系:ガソリン臭・燃料漏れは“即停止レベル”
- 3)点火系:加速が鈍い・振動・MIL(エンジン警告灯)が出やすい
- 故障を減らすコツと購入前チェック
まずは現実合わせ:サイズと駐車場の相性を確認
CLAシューティングブレークは全幅1,830mm。
Mercedes-AMG CLAは全幅1,835mmの表記があります(グレードで微差)。
この数cmが、月極の枠・機械式・自宅前で効いてきます。ドアが開けにくいのは地味に痛い。
試乗は「夜」と「雨」でやると、後悔ポイントが炙り出せる
昼のきれいな道だけだと、視界の弱点やライトの見え方、反射、取り回しの緊張感が分かりにくいです。夜と雨は、運転のストレスが増える条件。だからこそチェック向き。
ここで「平気だな」と思えたら、かなり強いです。安心の根拠になります。
同乗者テストで“後席後悔”を先に潰す
後席の不満は、買った本人より同乗者から出やすいです。
だから購入前に、家族やよく乗せる人に後席へ座ってもらってください。10分座って平気か、乗り降りが苦じゃないか、それだけで十分。
未来の揉め事回避で平和に過ごせます。
中古で後悔しない3点セット:保証・整備記録・未対策リコール確認
中古は「安く買えた!」の反面、後悔の芽も拾いやすいです。
そこで効くのが3点セット。
まず保証。メルセデス公式の認定中古車は「2年間&走行距離無制限保証」を掲げています。
次に整備記録。最後に未対策リコール確認。公式のリコール検索は、車台番号で未対策の改善措置(リコール等)を確認できます。
この3つで“買ってから不安で眠れない”を減らせます。
税金のモヤモヤは先に消す:重量税は国交省の照会サービスが早い
車検時の重量税が気になるなら、国土交通省の「次回自動車重量税額照会サービス」で、車台番号と検査予定日から税額を照会できます。
数字が見えると、謎の不安がスッと消えます。これ大事。
よくある後悔を先回りで潰す早見表
| よくある後悔 | 何が起きる? | 購入前にやること | こう選ぶと楽 |
|---|---|---|---|
| 視界が不安 | 駐車が毎回ストレス | 自宅近くでバック駐車を試す | 駐車支援装備重視 |
| 後席が狭い | 同乗者が不満 | 同乗者に後席へ座ってもらう | 後席の頻度を正直に見積もる |
| 段差が怖い | 擦りそうで神経を使う | 立体/輪止めを実地確認 | 生活導線が段差少なめなら◎ |
| 乗り心地が硬い | 街乗りで疲れる | 荒れた路面で試す | タイヤ状態の良い個体 |
| 操作性が合わない | ナビがストレス | 年式差を理解し触って決める | MBUX世代も比較 (メ |
| 低速がギクシャク | 渋滞で疲れる | 低速域を試乗で重点チェック | クセが合う個体を選ぶ |
| 値落ちが痛い | 売る時にガッカリ | 相場推移を見て買う | 何年乗るか先に決める |
| 維持費が不安 | 出費が読めない | 税・保険・消耗品を事前見積もり | 保証が厚い購入先 |
CLAで起きやすい故障・不具合:症状→原因→対処
1)冷却系:水温上昇・クーラント減りは“最優先”で警戒
冷却系は、放置すると一気に重症化しやすい領域です。
代表的な流れは「冷却水が減る→警告灯→オーバーヒート→エンジンにダメージ」。怖い展開。
- クーラントホースの不具合(リコール対象の可能性)
高負荷時にホースが破損→冷却水漏れ→最悪オーバーヒート…という内容で、Aクラス/CLA/GLA向けの対策が案内されています。まず“未対策が残ってないか”が超重要です。 - サーモスタット不良(整備事例として多い系)
エンジンチェックランプ点灯→診断するとサーモスタット、という流れの整備事例があります。修理費は工場/部品/作業範囲で変わりますが、目安として総額約7万円の事例も確認できます。(グーネット)
結論:
水温が上がる/甘い匂い/駐車場に液体跡がある時点で、気合いで乗り切らない。レッカー案件ですよ。
2)燃料系:ガソリン臭・燃料漏れは“即停止レベル”
燃料系は「安全面」で優先順位が跳ね上がります。
燃料レールとインジェクタ間のシール不良→燃料漏れ→高温部に滴下すると火災リスク、という内容のリコールが出ています(対策番号:外-3399 文末にリンクあり)。
症状のヒント:
ガソリン臭、始動直後の違和感、エンジンルーム周りの湿り。気づいたら、無理せず止める。安全第一。
3)点火系:加速が鈍い・振動・MIL(エンジン警告灯)が出やすい
「なんか最近、吹けない…」の正体になりがちなのが点火系。
CLAに関連する点火系のリコールも複数あります。
- 点火コイル:失火→出力低下→MIL点灯につながる可能性があるとして対策が出ています(外-3245 文末にリンクあり)。
- 点火プラグ:誤仕様のプラグ装着で燃焼維持が難しく、最悪エンジン損傷やエンジンストールの恐れ…という内容で対策が出ています(外-3211 文末にリンクあり)。
結論:
「警告灯ついたけど走れるし…」が一番コワい。失火系は触媒も傷めやすいので、早めの診断が得です。
4)ミッション/駆動系:変速ショック・発進不可は修理が重くなりがち
CLAはDCT(ツインクラッチ)搭載グレードもあり、ここで問題が出ると体感ストレスがデカいです。
また、変速機ケース側の軸受カバーについて、嵌め合い不良→脱落→オイル漏れの恐れがあるとしてリコールが案内されています(外-3501 文末にリンクあり)。
よくある違和感:
停車→発進でガクッ、低速でギクシャク、バックが入りにくい。
この手の症状は「フルード交換で改善するもの」も「機械側の修理が必要なもの」も混ざるので、決め打ちは禁物。まず診断が現実的ルート。
5)電装・バッテリー:謎の警告灯や機能停止の黒幕になりやすい
輸入車あるあるですが、バッテリー弱り=不具合の連鎖になりがちです。
CLAではサブバッテリー交換の整備事例(総額3.3万円)も確認できます。
ありがちな症状:
アイドリングストップ不作動、警告灯が増える、電装が不安定。
「壊れてないのに壊れたっぽい表示」が出るやつ。心臓に悪いヤツです。
6)ナビ/MBUX・画面:真っ黒/再起動ループは“ソフト要因”もある
MBUXは便利ですが、表示が消える・起動時に何も映らない・再起動して表示が途切れる等の不具合が問題になり、制御プログラム書き換えのリコールが案内された例もあります(車種は限定)。
CLAでも「ブラックアウト→アップデートやパネル交換」系の報告はあり、まずはソフト更新/診断から当たるのが現実的です。
7)パノラミックルーフ:修理歴がある車は要注意ポイント
パノラミックスライディングルーフの固定パネルについて、過去の修理時の作業指示が不適切で接着強度が足りず、最悪走行中に剥がれ飛ぶ恐れ…という対策も案内されています。
中古車で「ルーフ周り修理歴あり」は、内容確認しておくと安心です。ここ、地味に盲点。
故障の“症状別”早見表(まず何を疑う?)
| 症状(起きたこと) | よくある系統 | まずやること | 修理の重さ感 |
|---|---|---|---|
| 水温が上がる/クーラントが減る | 冷却系(ホース/サーモ等) | 走行中止→漏れ確認→診断 | 放置すると重い |
| ガソリン臭/燃料がにじむ | 燃料系 | 走行中止→火気厳禁→点検 | 安全面で最優先 |
| 加速しない/振動/MIL点灯 | 点火系(コイル/プラグ) | 失火診断→リコール確認 | 中〜重になり得る |
| 変速がギクシャク/オイル漏れ | ミッション/駆動系 | 診断→漏れ箇所特定 | 当たると重い |
| 警告灯が増える/電装が不安定 | バッテリー/電装 | 電圧チェック→交換検討 | 中で済むこと多い |
| 画面が真っ黒/再起動 | MBUX/電装 | ソフト更新・診断 | ソフトなら軽め |
※この表で「不安が2つ以上当てはまる」なら、購入前に“試乗のやり直し”がいちばん効きます。
故障を減らすコツと購入前チェック
1)まず“未実施リコール”がないか確認(これが最短で効く)
先にも書きましたが、CLAはリコール/改善措置が複数出ています。車体番号で「未対策」を確認できる公式ページがあるので、購入前後に必ずチェック推奨です。
2)試乗で見るべきは「低速」「発進」「停止直前」
故障の芽は、だいたい低速に出ます。
渋滞域でギクシャク、停止前にガクッ、バックで違和感。こういう“気持ち悪さ”は、後から大きくなることが多いです。違和感の記憶、大事。
3)整備記録で見るべき3点(中古で後悔しない)
- 冷却系(クーラント漏れ修理歴、ホース対策の有無)
- 点火系(プラグ/コイルの交換歴、リコール実施の有無)
- バッテリー(メイン/サブの交換時期)
「記録が薄い車」は、安く見えてもあとで帳尻が合う。あるあるです。
ベンツCLAで後悔する8つの理由:まとめ
最後にひと言。CLAは“実用100点の万能車”ではありません。
けれど、条件さえ合えば“満足100点の惚れ車”になります。後悔の原因は、車の欠点というより生活とのズレ。ズレを買う前に潰す。それだけです。
- ベンツCLAの不具合は、年式・エンジン・ミッション(DCTなど)で傾向が変わるため「自分の個体前提」で考えるのが大切です。
- 冷却系は最優先で警戒。水温上昇・クーラント減り・甘い匂い・地面の液体跡があれば無理に走らず点検へ。ホース系はリコール対象の可能性もあります。
- 燃料系は安全面で最重要。ガソリン臭やにじみがあれば走行をやめ、火気厳禁で点検。燃料漏れリスクのリコールもあります。
- 点火系は「加速が鈍い・振動・エンジン警告灯(MIL)」で出やすいです。点火コイルや点火プラグ関連のリコールがあるため、未対策がないか確認が有効です。
- ミッション/駆動系は、低速のギクシャクやオイル漏れがサイン。変速機の部品に関するリコールもあるので、異変があれば早めに診断が安心です。
- 電装は「謎の警告灯」や機能停止の原因になりやすく、バッテリー(メイン/サブ)の弱りが黒幕になることがあります。
- ナビ/MBUXはブラックアウトや再起動など“ソフト要因”もあり、まずアップデートや診断が現実的です。
- パノラミックルーフは修理歴がある中古車で要注意。固定パネルに関する対策情報も出ています。
- 故障を減らすコツは、①公式の車台番号で未実施リコールを確認②試乗は低速・発進・停止直前を重点チェック③整備記録で冷却/点火/バッテリー履歴を見る、の3点です。
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