「ベンツBクラスって、貧乏に見えないかな…」「ネットで“貧乏人のベンツ”って書かれていて不安…」そんなモヤモヤを抱えながら「ベンツBクラスは貧乏」と検索している方は多いです。
確かに、車専門メディア記事の中には「Bクラスは貧乏人の車」といった、かなり刺激的な見出しもあります。しかし内容をよく読むと、きちんと数字で検証している記事もあれば、イメージだけで語られている記事も混ざっています。
この記事では、ベンツBクラスの新車・中古価格、維持費の目安、オーナーの年収帯といった客観的な情報を確認しながら、「本当に貧乏人の車なのか?」をわかりやすく整理します。
さらに、これまであまり触れられていない“周りに何か言われたときのメンタルと返し方”と、“5年間トータルコストのざっくり試算”もご紹介します。
あなたの家計と価値観に合った、後悔しないBクラスとの付き合い方。そのヒントになればうれしいです。
ベンツBクラスが「貧乏」と言われる理由と、本当の姿

- ネットで広がる「貧乏ベンツ」イメージの中身
- 新車・中古価格から見る「本当に安い車なのか?」
- 維持費・故障リスクから見る「本当は貧乏に厳しい車」
- オーナーの年収帯と“貧乏ベンツ”イメージのズレ
- 「貧乏ベンツ」と言われたときのメンタルと上手な返し方
ネットで広がる「貧乏ベンツ」イメージの中身
私もBクラスオーナーなので、ネットで言われているような「ベンツBクラスは貧乏人の車」といった言い方は残念ですね。一応、ベンツなので貧乏と言われるような車ではないのですが…
「貧乏ベンツ」と囁かれるのには次のような理由からです。
1つ目は、ベンツの中での価格帯です。
SクラスやEクラスのような1000万円クラスのフラッグシップモデルと比べると、Bクラスは「手が届きやすいベンツ」として紹介されることが多くなります。「他のベンツより安い」=「貧乏向け」という、少し乱暴なレッテル貼りです。
2つ目は、実用寄りのスタイルです。
Bクラスは背の高いコンパクトトールワゴンで、積載性や乗り降りのしやすさなど“実用性”を重視したデザインです。クーペや大型セダンのような「いかにも高級車」というオーラとは少し方向性が違うため、「地味なベンツ」と感じる人もいます。
3つ目は、中古車価格の見え方です。
カーセンサーなどの中古相場を見ると、2019年以降の現行モデルでも約139~558万円、平均価格は約260万円台といったデータが出ています。
年式が古いモデルであれば、100万円台前半から探せる個体もあり、「200万円前後でベンツが買える」というインパクトだけが独り歩きしてしまう面があります。
こうした要素が合わさって、「安くベンツに乗ろうとしている=貧乏くさい」というイメージが生まれているのが実情です。
ただし、これはあくまで“他のベンツと比べて”の話。
日本の平均年収から見れば、Bクラスも十分高価な車です。
新車・中古価格から見る「本当に安い車なのか?」
メルセデス・ベンツ日本の公式ページでは、現行Bクラス(B180)のメーカー希望小売価格は548万円(税込)と案内されています。
また、一部の販売店サイトやニュースリリースでも、改良新型Bクラスの価格帯は約537~573万円と紹介されており、コンパクトクラスとはいえ決して安い価格ではありません。
一方、カーセンサーなどの中古車サイトを見てみると、Bクラス全体の価格帯は先ほど触れた通り139~558万円程度、平均価格は約260万円というデータが出ています。
古い年式のBクラスなら100万円台前半、比較的新しい現行型なら300万円前後がひとつの目安です。
つまり、
新車で買えば500万円台のプレミアムコンパクト。
中古で選べば200~300万円台で現実的に狙える輸入車。
それがBクラスの「お金のポジション」です。
ここだけを切り取って「貧乏人の車」と呼ぶのは、かなり無理があると言えます。
維持費・故障リスクから見る「本当は貧乏に厳しい車」
価格よりも重要なのが、毎年かかり続ける維持費です。
輸入車専門工場の試算では、Bクラスの年間維持費(税金・保険・車検・メンテ・燃料・駐車場などを含む)はおおよそ30~50万円程度とされています。都市部で月1万円前後の駐車場を借りている場合は、これに加えてさらに負担が増えるイメージです。
Q&Aサイト(carview!)のBクラスオーナーの回答では、「ローンがない前提で、修理・点検費用として年間30万円ほど積み立てておくと安心」という声もあり、突然の故障や消耗品交換の負担がそれなりにあることがわかります。
また、Bクラスは2025年頃を目安に生産終了・販売終了の動きがあると報じる記事もあり、今後は部品単価が上がる可能性も指摘されています。
こうした点を踏まえると、Bクラスは
「車両価格だけでいっぱいいっぱいな人には厳しい車」
というのが現実です。
本当に貧乏なら、そもそも維持し続けることが難しい車種。
「貧乏人の車」というより、「貧乏には向かない車」と言った方が近いかもしれません。
オーナーの年収帯と“貧乏ベンツ”イメージのズレ

ベンツオーナーの年収については、AクラスやBクラスなどコンパクトモデルの購入層は年収500~800万円前後がボリュームゾーンと分析されています。
もちろん個人差はありますが、
- 年収500万円前後で中古Bクラス
- 年収600~800万円前後で新車または高年式中古のBクラス
といった買い方をしている人が多い、というイメージです。
このレンジは「超お金持ち」ではないにせよ、一般的な感覚からすれば決して貧乏ではありません。
それでも「貧乏ベンツ」と言われてしまうのは、
- SクラスやGクラスなどの超高額モデルと比べられてしまう
- 安い中古個体だけが目についてしまう
といった“見せ方の問題”が大きいと考えられます。
数字だけを見ると、Bクラスは「中流~中流上の層が、生活とのバランスを取りながら選ぶベンツ」という立ち位置にいると言えるでしょう。
「貧乏ベンツ」と言われたときのメンタルと上手な返し方
これまであまり触れられていませんが、実際に気になるのは“周りの目”です。
もし職場や友人から
「Bクラスって、ネットで貧乏ベンツって書かれてたよ」
などと言われてしまったら、少し傷つきますよね。
そんなときにおすすめなのが、次のようなスタンスです。
まずは事実ベースで、さらっと笑い飛ばすことです。たとえば、
「新車で買うとBクラスでも500万円くらいだし、維持費も年30~50万円はかかるからね。貧乏だったらそもそも維持できないよ」
と、軽いトーンで返してみるイメージです。
さらに、
「子どもがいるから、このサイズ感と乗りやすさがちょうど良かったんだ」
「国産ミニバンも見たけど、乗り味と安全装備でBクラスにしたよ」
と、自分なりの合理的な理由を一言添えられると、「見栄で選んだわけではないんだな」と伝わりやすくなります。
大事なのは、
「どう見られるか」より「なぜそれを選んだか」に意識を向けることです。
納得して選んだ1台なら、他人の一言で価値は揺らぎません。
後悔しないベンツBクラスの選び方とチェックポイント

- 年収と家計から逆算する“無理のないライン”
- 5年間トータルコストをざっくり試算してみる
- Bクラスに乗る人はどんな人が多い?
- Bクラスに7人乗りはあるの
- 「貧乏に見えない」グレード・色・買い方のコツ
- あえてBクラスを選ばない方が良いケース
年収と家計から逆算する“無理のないライン”
車と年収の関係について、「車両本体価格は年収の半分程度まで」「車にかける総コストは手取りの10~15%以内」がひとつの目安とされています。
これをBクラスに当てはめると、おおよそ次のようなイメージになります。
| 年収の目安 | 無理のないBクラスの買い方イメージ | 解説 |
|---|---|---|
| 400万円前後 | 旧型Bクラスの中古を現金or短期ローン | 維持費も考えると結構ギリギリ。国産車とよく比較したいラインです。 |
| 500~600万円 | 高年式中古Bクラスを中心に検討 | 年間維持費30~50万円を払っても家計が回るかがポイントです。 |
| 700~800万円 | 新車B180や装備を抑えたグレードが現実的 | 他のローンが少なければ、新車でも無理のないゾーンです。 |
| 900万円以上 | 新車Bクラスを余裕を持って購入可能 | オプションやリースも含め、自分好みのプランを選びやすい帯です。 |
※あくまで一般的な目安であり、住宅ローンや家族構成によって大きく変わります。
ここで大切なのは、ローンと維持費を合計した“車の月額コスト”が、手取りの2割を超えないかという視点です。
「手取り月30万円で車関連が毎月8万円」
この状態だと、正直かなりキツいですよね。
逆に、同じ月8万円でも「手取り月50万円」なら許容できる人も多いはずです。
数字を出してみて、“自分の生活リズムの中で無理がないか”を確認することが、貧乏にならないBクラス選びの第一歩です。
5年間トータルコストをざっくり試算してみる
次に、「5年間の総コスト」を、ざっくりイメージしてみます。
ここでは、例として次の条件を置きます。
- 高年式中古Bクラスを車両価格300万円で購入
- 5年後の下取り価格を60万円と仮定
- 年間維持費を40万円と仮定(税金・保険・車検・燃料・駐車場など)
この場合、
- 5年間の“価値の目減り”(減価)は約240万円
- 維持費は40万円×5年=200万円
合計で約440万円となり、1か月あたりにすると約7.3万円をBクラスに使っている計算になります。
新車B180(約548万円)を買った場合は、
- 5年後の残価を220万円と仮定すると減価は約328万円
- 維持費を同じく年間40万円とすると5年間で200万円
合計は約528万円で、1か月あたり約8.8万円です。
もちろん、実際の金利や走行距離、故障の有無によって大きく変わりますが、「5年間トータルではこのくらいの規模感」というイメージを持っておくと、冷静に判断しやすくなります。
カタログ価格だけを見るのではなく、“5年で月いくら払う感覚なのか”に直して考える。
これが、家計を守りながらベンツBクラスと付き合うコツです。
よくある質問
Bクラスに乗る人はどんな人が多い?
ざっくり言うと、ベンツBクラスに多いのは
「派手さより“実用+安心感”を重視する、30〜50代のファミリー&共働き世帯」
というイメージです。
「年齢・家族構成のイメージ」
- 30代後半〜50代のファミリー層が中心
Bクラスのユーザー層は、特に30代後半〜50代の落ち着いた年齢層・家族持ちが多いとされています。 - 小学生くらいまでの子どもがいる家庭
コンパクトだけど室内は広く、チャイルドシートや荷物を積みやすい“ちょうどいいサイズ”なので、子育て世代に選ばれやすいです。 - 都市部に住む人・郊外から都心に通う人
「5ナンバーサイズの国産ミニバンは大きすぎるけど、普通のコンパクトだと狭い…」という都会・郊外のユーザーに刺さりやすいポジションです。
「まとめると…」
ベンツBクラスに多いのは、こんな人たちです。
- 30〜50代くらいのファミリー・共働き世帯
- 都市部〜郊外に住んでいて、日常の足+家族の移動に使う人
- 見た目のド派手さより、「乗りやすさ・安全性・室内のゆとり」を優先する人
- 年収はそこそこあるけど、“身の丈から大きく外れた背伸び”はしたくない人
ざっくり言えば、
「ちゃんとお金の計算をしながら、家族のために少し良い車を選ぶタイプ」
の人に選ばれやすいモデル、という感じですね。
Bクラスに7人乗りはあるの?
結論から言うと、ベンツBクラスに“正式な7人乗り仕様”はありません。すべて5人乗りです。
Bクラスは基本ずっと「5人乗り」
- 現行型Bクラス(W247型/日本で今売られているモデル)は
→ 2列シートの5人乗りのみです。 - ひとつ前の型(W246型)やさらに前の初代も
→ 国内正規モデルはずっと5人乗りで、3列シートや7人乗り設定はありません。
Bクラスは「コンパクトなプレミアムファミリーカー(2列MPV寄り)」という立ち位置で、3列シートが欲しい人は、GLBや国産ミニバンへどうぞ、という棲み分けになっています。
もし7人乗りが必要なら…
「ベンツで7人乗りが欲しい」場合は、BクラスではなくGLBクラスが候補になります。
- GLBは3列シート仕様があり、7人乗りが選べます。
- ただし3列目はあくまで“補助席”的な広さなので、長距離で大人がずっと座るには少し窮屈です。
「貧乏に見えない」グレード・色・買い方のコツ
どうせ乗るなら、「あえてBクラスを選んでいる感」が出る乗り方をしたいですよね。
まず意識したいのは、見た目よりも安全装備と家計のバランスを優先することです。
AMGラインなどのスポーティなパッケージは見栄えが良く、試乗記でも高評価ですが、その分タイヤやブレーキの負担が増え、維持費も上がりやすくなります。
一方で、ボディカラーや内装色の選び方次第で、同じBクラスでも印象は大きく変わります。
- ホワイトやシルバーは清潔感がありリセールも良好
- ダークグレーやネイビーは、落ち着いた雰囲気で“安っぽく”見えにくい
こうした基本を押さえれば、派手なオプションを付けなくても、上品で大人っぽい1台に仕上がります。
また、過度なローダウンや社外エアロなどのカスタムは、一部の人からは好評でも、一般的には「無理してる感」が出てしまうこともあります。ノーマルをベースに、小さなこだわりを足していくくらいが、Bクラスのキャラクターにはよく合います。
あえてBクラスを選ばない方が良いケース
ここまで読むと、「それでもやっぱりBクラスに乗りたい」と感じた方もいると思いますが、あえて別の選択肢を検討した方が良いケースもあります。
たとえば、次のような場合です。
- すでに住宅ローンや教育費で家計がカツカツになっている
- 車にかけられる予算が、月3万円以下にどうしても抑えたい
- 3列シートやスライドドアなど、Bクラスではカバーしにくい条件が必須
こうした状況では、トヨタのシエンタやホンダのフリードなどの国産ミニバン、あるいはコンパクトハッチバックの方が、総合的な満足度は高くなりやすいです。
逆に、
- 日常は街乗りと高速道路が中心
- 家族は多くて4人程度で、5人乗りで十分
- 安全性や乗り味を重視しつつ、車内はゆったりしていてほしい
こんなライフスタイルであれば、Bクラスはまさに“ちょうど良い”ベンツです。
重要なのは、「貧乏かどうか」ではなく、「自分の生活とBクラスの相性が良いかどうか」です。
まとめ:Bクラスは“貧乏かどうか”ではなく、“身の丈に合うかどうか”
最後に、この記事のポイントを簡単にまとめます。
- ベンツBクラスの新車価格は約540~580万円、中古相場は139~558万円、平均約260万円前後
- 年間維持費は30~50万円程度が目安で、国産コンパクトより負担は重め
- A/Bクラスを含むコンパクトベンツのオーナーは、年収500~800万円前後の層が中心とされており、「貧乏人の車」とは言い難い
- 5年間トータルで見ると、中古300万円のBクラスでも総額440万円前後、新車では500万円超という規模感になる
- 大事なのは、「他人の目」ではなく、「自分の家計と価値観に合っているかどうか」
「ベンツBクラス=貧乏人の車」という言葉は、とても乱暴なレッテル。
本当の意味で“貧乏”なのは、自分の家計や将来を見ないまま、勢いだけで車を選んでしまうことだと思います。
数字を冷静に見て、それでも「自分の暮らしにBクラスがしっくりくる」と感じたなら。
その選択は、胸を張ってして大丈夫です。
参考にした・あわせて読みたいリンク






