「ベンツAクラスは壊れやすい」と聞くと、買う前から胃がキュッとなりますよね。
外車の怖さは、故障そのものより“突然の警告”と“修理費の読めなさ”。でも裏を返せば、よくある不調パターンとチェック手順を知っておけば、ムダな出費と後悔はかなり減らせます。
この記事では、Aクラスで起きやすい故障7つと修理費の目安、中古で外さない見極め方、警告灯が出た瞬間の動き方まで、やさしく具体的に解説します。
ベンツAクラスは壊れやすい?結論と“壊れやすさの正体”

- 結論:Aクラスは「壊れやすい車」より「不安になりやすい車」
- 年式差の考え方:古い世代ほど「ATトラブル」の文脈が混ざりやすい
- まずやるべきリコール確認:未対策のまま買わない
- 保証は“安心の仕組み”:メルセデス・ケアと保証プラス
- ベンツAクラスの「デメリット」は?
結論:Aクラスは「壊れやすい車」より「不安になりやすい車」
結論から言うと、Aクラスは“しょっちゅう壊れる車”と決めつけるのは早いです。とはいえ「壊れた気がする」体験が起きやすいのも事実。
正体はだいたい次の3つです。
1つ目は電子制御の多さ。電圧の揺らぎやセンサーの違和感でも、警告が出やすい設計です。表示が出ると、人は焦る。
2つ目は費用のインパクト。国産車より部品代と工賃が高めになりやすく、1回の出費が記憶に残ります。
3つ目は乗り方の影響。短距離・渋滞・ストップ&ゴーが多い使い方は、バッテリーや制御系の負担が増えやすい傾向があります。これはAクラスに限らず“現代の車あるある”でもあります。
年式差の考え方:古い世代ほど「ATトラブル」の文脈が混ざりやすい
ネットで調べると「AクラスはATが弱い」という話が出てくることがありますが、これは古い世代の印象が混ざっているケースもあります。
整備系の解説では初期型のAクラスはオートマのトラブルが多発した、といった解説も見られます。
だからこそ、いま中古でよく流通しているW176/W177を検討している人は、「自分が買う年式・世代の弱点」を前提に情報を読み替えるのが大事です。ここ、混乱ポイント。注意です。
まずやるべきリコール確認:未対策のまま買わない
Aクラスを含む対象車で、右ハンドル車の電動パワーステアリング(EPS)に関して、制御プログラムが不適切な場合に故障時のパワーアシスト喪失や振動が起こり、最悪の場合に操舵できなくなるおそれがあるとして、対策プログラムへの書き換えを行うリコールが案内されています。
そしてメルセデス公式には、車台番号(VIN)で「未対策の改善措置(リコール等)」を検索できるページがあります。買う前にこれをやる。鉄板です。
保証は“安心の仕組み”:メルセデス・ケアと保証プラス
新車や認定中古車寄りで買えるなら、保証は精神安定剤になります。
メルセデス・ケアは「新車購入から3年間・走行距離無制限」の保証プログラムとして公式に案内されています。
また、保証プラスの案内ページも用意されています(適用条件は車両や契約内容で変わるため、購入時に要確認)。
「壊れるかどうか」より「壊れても詰まない設計」。これがAクラスをラクにします。
ベンツAクラスの「デメリット」は?
グーネットやカービュー、MOTA(旧オートックワン)などの専門サイトで語られているデメリットをまとめてみました。
なお、ベンツAクラスの「デメリット」を、よく出てくる不満点ベースでまとめます(※年式・グレードで体感は変わります)。
- 維持費が国産より高くなりやすい
点検・車検・消耗品・故障修理の合計が読みにくく、依頼先(ディーラー/専門工場)や車両状態で金額差が大きいのがネックです。 - 電装・インフォテインメント系の不具合が出ることがある
2018年以降モデルのユーザー申告で、センサーなどの“電気系トラブル”が頻繁に挙げられる、という整理があります。 - DCT(デュアルクラッチ)の低速ギクシャクが気になる人がいる
低速・渋滞のストップ&ゴーで「変速がギクシャク/反応が遅い」と感じやすい、という指摘があります。 - 乗り心地が硬めになりやすい(特にスポーティ仕様・大径ホイール)
レビューでは「小さな段差で落ち着きにくい/硬い」と評価されることがあり、スポーティ系トリムはさらに硬さが出やすいと言われます。 - ロードノイズが気になる場面がある
走行中に「うるさく感じることがある」というレビューもあります。 - 後席の足元がタイトで、長距離の“5人乗車”はしんどくなりがち
後席レッグルームが「少しきつい」という評価や、長距離での窮屈さを挙げる声があります。 - 後方視界がいまいち(ピラーが太め)
後ろ側の柱(ピラー)などの影響で、後方視界がやや妨げられるという指摘があります。 - 収納・使い勝手の小さな不満が出やすい
「小物入れが少ない」「スペアタイヤが欲しい」「ブレーキダストが多い」など、細かいストレスが口コミで挙がります。 - ガソリン車はハイオク前提で燃料代が増える
実ユーザーの不満点として「ハイオクなのでガソリン代がかかる」が挙げられています。
あなたの使い方で“地雷”になりやすいのはこの3つです:
①渋滞多め(DCTの低速)②家族で後席頻繁(後席の狭さ)③ディーラー整備前提(維持費)。この条件に当てはまるほど、Aクラスのデメリットは強く出ます。
よくある故障7つと修理費目安:中古の見極め・予防・対処

- よくある故障7つ×修理費の目安
- 警告灯が出た瞬間の“正しい動き方”3ステップ
- 中古購入で失敗しない「販売店への質問テンプレ」
- 故障を減らす維持のコツ:メンテは「正解を暗記」より「記録で確認」
よくある故障7つ×修理費の目安
修理費は年式・症状・依頼先で変わります。
ここでは「覚悟の目安」として、根拠のある事例・相場に寄せてまとめます。
| よくある症状 | ありがちな原因 | 修理費の目安 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 1.「バックアップ(サブ)バッテリー故障」表示 | サブバッテリー劣化 | 約2万円〜5万円 | ECOスタートストップやホールドが使えない等が起きることあり |
| 2.電装が不安定/警告が増える | メインバッテリー劣化・充電不足 | 3万円〜10万円程度 | “電圧の弱り”が不調の引き金になりがち |
| 3.「シフトチェンジせず工場で点検」等 | DCT/制御/油脂類/学習ずれ | 5万円〜(幅が大きい) | DCTオイル交換+アダプション+サブバッテリー等の提案事例あり |
| 4.エアコンが冷えない/異音 | ガス不足〜コンプレッサー等 | ガス補充は軽額〜、コンプレッサーは高額になりやすい | 工場で差が出やすい部位 |
| 5.オイル漏れ(におい/にじみ) | ガスケット・パッキン劣化 | 3万円〜5万円程度の目安が紹介される例も | 放置で二次被害が増えやすい |
| 6.冷却水漏れ/水温異常 | ホース・ウォーターポンプ等 | 5万円〜10万円程度の目安が紹介される例も | 早期発見が安い |
| 7.振動・加速不良 | エンジンマウント/点火系/ターボ等 | 5万円前後〜高額まで | マウント交換の相場として5万〜6万円の目安が語られる例あり |
※「費用」は“その価格で必ず直る”ではなく、“そのくらいから覚悟”の意味です。
視覚的にまとめると、こんな感じになります。厳密な統計値ではなく「目安の割合」です。

見積もりは内訳(部品/工賃/診断料)で比較すると納得しやすいです。なお、テスター診断が6,600円〜といった工賃目安を掲示している整備工場の例もあります。
また、バックアップ(サブ)バッテリー交換は、Aクラスで総額28,600円の作業事例も公開されています(車両条件で変動)。(グーネット)
警告灯が出た瞬間の“正しい動き方”3ステップ
警告灯が点くと、頭が真っ白。だから手順を決めます。
ステップ1は安全確認です。ハンドルが急に重い、ブレーキの感触がいつもと違う、焦げ臭い、強い異音、冷却水温が上がっている。この場合は無理に走らず安全な場所に停車が優先。命が最優先。
ステップ2は記録です。メーター表示をスマホで撮るだけ。後で説明がラクになり、診断も早まりやすいです。
ステップ3は“電圧→診断”の順で切り分けです。たとえばバックアップ(サブ)バッテリー故障では、アイドリングストップ機能やホールド機能が停止するといった影響があります。こういうケースで焦って高い修理に飛びつくより、まず電源系から疑うほうが合理的です。
中古購入で失敗しない「販売店への質問テンプレ」
整備記録簿があっても、聞き方が曖昧だと“いい返事”だけで終わりがち。
そこで、そのまま使える質問テンプレを用意しました。
| 販売店に聞くこと | ねらい |
|---|---|
| 直近1年で警告灯は出ましたか。出たなら診断結果(故障コード)と対応内容は? | 隠れ不具合の有無を見抜く |
| メイン/バックアップ(サブ)バッテリーの交換歴はいつですか。不明なら納車前に数値(テスト結果)で説明できますか。 | 電圧由来の不調を先に潰す |
| 低速でギクシャク、変速に違和感がある場合、納車整備で点検・対策できますか。 | DCT系の不安を契約前に整理 |
| エアコンの冷え確認はしましたか。弱い場合は何から点検しますか。 | 夏の高額修理リスクを減らす |
| リコール未対策が残っていたら、対策後に納車できますか。 | “未対策を掴む”事故を防ぐ |
ここでのコツは、答えを口約束で終わらせず「納車整備の範囲」や「保証対象」を書面で確認すること。あとで揉めないことが大事。
故障を減らす維持のコツ:メンテは「正解を暗記」より「記録で確認」
車専門メディアでは、定期点検やATF交換、冷却水交換など“目安”がまとめられていることがあります。
ただし、Aクラスは世代・仕様・使い方で最適が変わるので、暗記より次が現実的です。
- まず、整備記録簿で「何をいつやったか」を追える個体を選ぶこと。
- 次に、短距離メインなら電圧が落ちやすい前提で、バッテリー状態を早めに点検すること。
- 最後に、違和感は初期で相談すること。オイル漏れや冷却水漏れは、にじみ段階で直せば出費が小さく済みやすくなります。
“壊れてから”より“壊れかけで止める”。これがAクラスを長く気持ちよく乗るコツです。
ベンツAクラスは壊れやすい:まとめ:Aクラスは怖くない。
Aクラスは電子制御が多いぶん警告が出やすく、修理費も国産より高くなりがちで「壊れやすい」と感じやすい車です。ですが、よくある不調はパターン化できます。
リコール未対策の確認、故障7つの相場感、警告灯の3ステップ、販売店への質問テンプレ。
この4つを押さえれば、Aクラスは“怖い車”から“頼れる相棒”に変わります。安心の設計。自分で作れます。
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