「あれ、最近のBMW、なんか顔変わった…?しかも、ちょっと…うーん…」
街中で見かける最新のBMWに、そんな風に感じたことはありませんか?かつては「駆けぬける歓び」を体現するスポーティで洗練されたデザインで、多くのクルマ好きを魅了したBMW。
しかしここ数年、特にその「顔」とも言えるキドニーグリルが巨大化し、「なんか変」「デザインひどい」「豚鼻ダサい」「正直ダサい」なんて声が、ネット上だけでなくリアルな会話でもチラホラ聞こえてくるようになりました。
憧れのブランドだったはずなのに、一体どうして?
BMWのデザインに何が起きているのか?
「ダサい」と言われる具体的な理由から、その背景にあるBMWの戦略、そして今後のデザインの行方まで。
この記事を読めば、モヤモヤしていた疑問がスッキリ解消するはず。BMWファンも、そうでないクルマ好きも、知っておきたい最近のBMWデザイン事情。その核心。
「ダサい!なんか変…?」BMWデザインへの違和感とその歴史

- BMWのデザインが「ダサい」と囁かれる現状
- かつての「駆けぬける歓び」はどこへ?BMWデザイン変遷の歴史
BMWのデザインが「ダサい」と囁かれる現状
最近、どうにもザワつくBMWのデザイン。
特に話題の中心は、あのフロントマスク。伝統のキドニーグリルが、モデルチェンジのたびに存在感を増し、今や「顔面のほとんどグリル?」なんて揶揄されるほどの巨大化。
4シリーズクーペが登場した時の衝撃。あの縦に伸びた巨大グリルは、多くのBMWファンを困惑させ、ネット上では「豚鼻」「デカすぎ」「エレガントさが消えた」といった辛辣な意見が飛び交う事態に。
それは4シリーズだけにとどまらず、フラッグシップの7シリーズやSUVモデルのX7、さらにはEVのiX、そして究極のパフォーマンスモデルXMに至るまで。
どのモデルも、良くも悪くも「一度見たら忘れられない」強烈な個性を放つデザイン。しかし、その個性が、従来のBMWが持っていたスポーティさや知的なイメージとは、少し違う方向を向いていると感じる人が多いのも事実。
もちろん、デザインの好みは人それぞれ。
「迫力があっていい」「未来的で好き」という肯定的な声も存在。しかし、全体的な印象として、「違和感がある」「前のほうが良かった」「正直ダサい」と感じる声が、かつてないほど大きくなっている。それが今のBMWデザインを取り巻く空気感。
かつての「駆けぬける歓び」はどこへ?BMWデザイン変遷の歴史
BMWといえば、その走りの良さと共に、時代をリードするスポーティで美しいデザインが魅力でした。
思い返してみてください。FRらしいロングノーズ・ショートデッキの流麗なプロポーション。獲物を狙うようなシャープな眼差し(ヘッドライト)。
そして、控えめながらもBMWのアイデンティティを主張する、横長のキドニーグリル。
例えば、E30型M3の硬派なカッコよさ。E46型3シリーズの、誰もが美しいと感じるであろう完成されたフォルム。E39型5シリーズの、エレガントさとスポーティさの見事な融合。
これらは、今でも多くのファンを魅了し続ける名デザイン。当時のBMWデザインは、まさに「駆けぬける歓び」というスローガンを、見た目からも雄弁に物語る存在でした。
キドニーグリルも、時代と共に少しずつ形を変えてきました。横長が基本でしたが、モデルによっては縦長の要素を取り入れたり、ヘッドライトと一体化するようなデザインを採用したり。
それでも、決して「顔面の主役」になることはなく、あくまで全体の調和を保つ一部としての存在感。
しかし、2000年代初頭、クリス・バングル氏がデザインを率いた時代(E60型5シリーズなど)には、一度大きなデザイン変革がありました。
「バングル・バット」と揶揄されたトランク形状など、当時は賛否両論を巻き起こしましたが、今見ると先進的だったとも評価される挑戦的なデザイン。
そして現在。再びBMWは大きなデザイン変革期を迎えています。
しかし、今回はバングル時代とも違う、もっと直接的で、ある意味「分かりやすい」変化。特にキドニーグリルの巨大化は、これまでのBMWデザインの文脈からは、やや唐突にも感じられるほどのインパクト。
過去の美しいデザインを知るファンほど、「あの頃のBMWはどこへ…?」と、戸惑いを感じてしまうのかもしれません。
「BMWのデザインがダサい」と言われる具体的理由とBMWの狙い

- 「ダサい」の象徴?巨大化が止まらないキドニーグリル問題
- キドニーグリル以外にも?「最近ひどい」と言われるデザイン要素
- なぜこの路線に?BMWが語る(かもしれない)デザイン変更の意図
「ダサい」の象徴?巨大化が止まらないキドニーグリル問題
なぜ、最近のBMWデザインが「ダサい」と言われてしまうのか?
その最大の要因として挙げられるのが、やはりキドニーグリルの巨大化。もはや「キドニー(腎臓)」というより「ラング(肺)」と呼びたくなるような大きさ、なんて声も。
特に批判の的になりやすいのが、その「バランスの悪さ」。
シャープなヘッドライトや流麗なボディラインに対して、グリルだけが異様に大きく、全体のプロポーションを崩しているように見える、という意見。
まるで、整った顔立ちに、取ってつけたような大きな鼻が付いているような違和感。
また、そのデザインが「威圧的すぎる」「下品に見える」と感じる人も少なくないようです。かつてのBMWが持っていた、知的でスポーティな雰囲気とは対照的。
特に、巨大グリルにメッキ加飾が施されると、ギラギラとした印象が強まり、敬遠される傾向も。
さらに、機能的な必要性への疑問。EVモデルであるiXやi4にも巨大な(ように見える)グリルが採用されていますが、EVはエンジン車ほど大きな冷却開口部は必要ないはず。
実際にはセンサー類を内蔵するパネルになっている場合が多いのですが、見た目として「なぜこんなに大きい必要があるの?」という疑問が、デザインへの不信感につながっている側面も。
この巨大キドニーグリルは、BMW自身もその賛否を認識しているはず。それでも採用し続けるのは、後述するような明確な戦略があるからなのでしょう。
しかし、多くのユーザーにとって、このグリルこそが「最近のBMWはダサい」と感じさせる最大の理由であり、象徴的な存在になっている。それが現実。
キドニーグリル以外にも?「最近ひどい」と言われるデザイン要素
巨大キドニーグリルばかりが注目されがちですが、「最近ひどい」「なんか違う」と言われる理由はそれだけではありません。他のデザイン要素にも、違和感を覚えるポイントがいくつか指摘されています。
一つは、ボディ全体のラインや面の構成が複雑化している点。
特に最近のモデル、例えばXMなどに見られるように、キャラクターラインが多用され、面が折り重なるような、やや装飾過多とも言えるデザイン。
かつてのBMWにあった、シンプルでクリーンな面構成の美しさとは対照的。これが「ゴテゴテして見える」「落ち着きがない」といった印象につながることも。
ヘッドライトのデザインも変化。伝統的な丸目4灯や、それをモチーフにしたデザインから、より細く、シャープで、時には上下二分割(新型7シリーズやXM)といった新しい表現へ。
これも先進性を狙ったものですが、「BMWらしさが薄れた」「表情が分かりにくい」と感じる声も。
リアデザインも同様。テールランプのデザインが細くなったり、複雑な立体形状になったり。
また、バンパー下部のディフューザー形状などが、 Mモデルだけでなく標準モデルでも過度にアグレッシブになる傾向。これも「やりすぎ感」につながる一因。
インテリアに目を向けても、大型のカーブドディスプレイの採用など、デジタル化が一気に進みました。これは時代の流れですが、物理ボタンが減り、すべてをタッチパネルで操作する方式に、「運転中に操作しづらい」「BMWらしいドライバー中心のコックピット感が薄れた」といった声も聞かれます。
もちろん、これらの要素も「新しい挑戦」「未来感」と捉えることも可能。
しかし、キドニーグリルだけでなく、こうした複数のデザイン要素の変化が複合的に作用し、「最近のBMW、全体的にちょっと…」という印象を形作っている。多くの人が感じる違和感の正体ではないでしょうか。
なぜこの路線に?BMWが語る(かもしれない)デザイン変更の意図
では、なぜBMWは、これほどまでに賛否両論を巻き起こすデザインを採用し続けるのでしょうか?
BMWが公式に詳細な理由を語ることは少ないですが、いくつかの狙いが考えられます。
最大の理由とされるのが、主要マーケット、特に中国市場の嗜好への対応。 中国市場では、大きくて派手なグリル、存在感のあるデザインが好まれる傾向があると言われています。
世界最大の自動車市場である中国での成功は、BMWにとって最重要課題の一つ。そのためのデザイン戦略である可能性。
次に考えられるのが、ブランドとしての「差別化」。 今や多くの自動車メーカーがプレミアム市場に参入し、デザインも洗練されてきています。
その中で埋没せず、一目でBMWと分かる強烈な個性を打ち出すことで、ブランドの存在感を際立たせようという狙い。良くも悪くも話題になることは、認知度向上につながるという考え方。
EV時代への対応という側面も。前述の通り、EVでは巨大な開口部は不要ですが、代わりにセンサー類を搭載するスペースが必要です。
キドニーグリルの形状を維持しつつ、そこに先進技術を詰め込む「テック・マジック・シャイ」と呼ばれるような考え方。デザインアイコンを維持しながら、新しい時代に対応する。そのための表現。
デザイナーの意欲や挑戦という可能性も。常に新しい表現を模索するのはデザイナーの本能。過去の成功体験にとらわれず、次世代のBMW像を打ち出したいという強い意志が、大胆なデザインを生み出しているのかもしれません。
これらの要因が複雑に絡み合い、現在のデザイン路線が形作られていると考えられます。BMWとしては、批判は覚悟の上で、未来を見据えた戦略的なデザイン変更を進めているのかもしれません。
世間の反応とBMWデザインのこれから

- ネット上の評判は?ユーザーや専門家からのリアルな声
- 販売への影響は?今後のBMWデザインの方向性と予測
ネット上の評判は?ユーザーや専門家からのリアルな声
では、実際にユーザーや専門家は、この新しいBMWデザインをどう受け止めているのでしょうか? ネット上の声を中心に見ていくと、やはり「賛否両論」というのが正直なところ。
否定的な意見で目立つのは、やはりデザイン、特にキドニーグリルへの批判。
「BMWらしさが失われた」「威圧感がありすぎて引く」「エレガントさが皆無」「前のモデルの方が断然カッコよかった」「正直、ダサいの一言」
といったストレートな意見が多数。長年のBMWファンや、過去のモデルを愛する層からは、特に厳しい声が多い印象。
一方で、肯定的な意見も確実に存在。
「迫力があって好き」「個性的で目立つのが良い」「未来感があってカッコいい」「見慣れてくると悪くない」「新しいBMWの方向性を示している」
といった声。特に若い世代や、これまでのBMWのイメージにとらわれない層からは、新鮮さやインパクトが好意的に受け止められているケースも。
自動車評論家など専門家の間でも、評価は分かれています。
デザインの意図や挑戦を評価する声がある一方で、やはりプロポーションのバランスや、ブランドイメージとの乖離を指摘する声も根強い。
ただ、プロとしては単に「ダサい」と切り捨てるのではなく、その背景にある戦略や、デザイン言語の変化について分析的に論じる傾向。
興味深いのは、「最初は違和感があったけど、見慣れてきた」「実車を見ると意外とカッコいい」といった声も少なくないこと。写真や動画で見るのと、実際に街中で見かけるのとでは、印象が変わる場合もあるようです。
とはいえ、全体的なトーンとしては、依然として戸惑いや批判的な意見が優勢。
特にデザインコンシャスな層からの風当たりは強いまま。それがネット上でのリアルな評判。
販売への影響は?今後のBMWデザインの方向性と予測
これだけデザインが物議を醸していると、気になるのが販売への影響。
実際のところ、BMWのグローバル販売台数は、コロナ禍や半導体不足の影響を受けつつも、全体としては堅調に推移していることが多いようです。特に中国市場などでは、この新しいデザインが受け入れられ、販売を伸ばしているという側面も。
ただし、日本や欧州など、伝統的なファンが多い市場では、デザインが理由で購入を躊躇したり、他のブランドに流れたりするケースもゼロではないでしょう。
ブランドイメージという点でも、これまでの「スポーティで洗練された」イメージから、「個性的で主張が強い」イメージへと変化しつつあり、それが吉と出るか凶と出るかは、まだ判断が難しいところ。
では、今後のBMWデザインはどうなっていくのでしょうか? いくつかの可能性。
現行路線の継続・進化: 批判はあれど、グローバルでの販売戦略やブランドの差別化を重視し、現在のデザイン言語をさらに推し進める可能性。特にEV化が進む中で、新しい時代のBMW像を確立しようとする動き。
路線の微調整: あまりにも批判が大きいキドニーグリルなど、一部のデザイン要素については、次期モデルチェンジなどで、ややマイルドな方向へ修正する可能性。ユーザーの声に耳を傾ける姿勢を見せる。
新たなデザインへの移行: 現在のデザインが過渡期のものと捉え、全く新しいデザインの方向性を打ち出してくる可能性。技術の進化(例えば、センサー類の小型化など)によって、デザインの自由度が高まることも考えられます。
BMW自身、「ノイエ・クラッセ」と呼ばれる次世代EVコンセプトを発表しており、そこではキドニーグリルの解釈も、現在の巨大路線とはまた少し異なる、横長でデジタル表現を取り入れたものになっています。
これが今後の主流になるのか、それともまた別の驚きが待っているのか。
確かなことは、BMWが常に変化し続けるブランドであるということ。
現在のデザインが最終形ではなく、これからも時代や市場の変化に合わせて、デザインを進化させていくはず。その動向から目が離せない。未来への期待と少しの不安。
BMWの最近のデザインがダサい:まとめ:評価を超えてBMWが目指すもの
ここまで、最近のBMWデザインがなぜ「ダサい」と言われるのか、その理由や背景、世間の反応について見てきました。
巨大化したキドニーグリルを筆頭に、これまでのBMWらしさとは異なる大胆なデザイン変更。それは、多くのファンに戸惑いを与え、「ダサい」「ひどい」といった厳しい評価を生んでいるのも事実。
特に、過去の美しくスポーティなデザインを知る人ほど、そのギャップに落胆してしまう。
しかし、その背景には、中国市場への意識、他ブランドとの差別化、EV時代への対応といった、BMWなりの明確な戦略が存在する(であろう)ことも見えてきました。
単なる迷走ではなく、未来への生き残りをかけた、ある意味「必然」の選択なのかもしれません。
デザインの好みは、時代と共に移り変わるもの。かつて批判されたデザインが、後に再評価されることもあります。
現在のBMWデザインが、将来どのように評価されるかは、まだ誰にも分かりません。
確かなのは、BMWが挑戦を恐れないブランドであること。「駆けぬける歓び」というコアな価値は守りつつも、その表現方法は時代に合わせて大胆に変えていく。
その姿勢こそが、BMWが長年にわたって世界のプレミアムカー市場をリードしてきた原動力なのかもしれません。
「ダサい」という一言で片付けるのは簡単。しかし、その裏にある変化の理由やブランドの意志に思いを馳せてみると、また違った見方ができるはず。
今後のBMWが、どのようなデザインで私たちを驚かせ、そして魅了してくれるのか。批判の声も含めて、その動向を注目し続けたい。変化し続けるBMWの姿。